神7
「神7」(かみセブン)とは、AKB48のメンバー7人または劇場公演の観客7人を指す用語。主にマスコミによって使用され広まったが、様々な用法があり、混乱も見られる。
初回公演の観客を指す用法
2005年12月8日のAKB48初回公演(チームA 1st Stage「PARTYが始まるよ」公演)の入場者数72人のうち、招待客(関係者やメンバーの家族、友人など)が65人、有料のチケットを購入した一般客が7人であった。このAKB48誕生の瞬間に立ち会った観客7人のことを「神の7人」または「神7」と呼ぶ。後年にメンバーを指す用法が定着したためか「観客神7」と呼ばれる場合もある[1]。
この7人は、チームA 6th Stage「目撃者」公演の楽曲「Pioneer」の中で「誰もが無理だとまわりで笑った それでも7人だけが見守ってくれた」と歌われている。
しかし実際に公演を見ていたのは多くとも5人だったようである。アイドル情報サイト「スクランブルエッグ」編集長・岡田隆志は「純正(?)アキバおたくは私が見る限り5人もいなかったように思います」とレポートしている[2]。また、ある人物のTwitterでの投稿によると、7人のうちその人物を含む2人は公演を見ずに劇場併設のカフェで篠田麻里子と会話をし、その人物はアンコールの最後の曲「桜の花びらたち」のみ見たとのこと[3][4]。
特定のメンバー7人を指す用法
名前 | 加入期 | 第1回 2009年 |
第2回 2010年 |
---|---|---|---|
前田敦子 | 1期 | 1位 | 2位 |
大島優子 | 2期 | 2位 | 1位 |
篠田麻里子 | 1.5期 | 3位 | 3位 |
渡辺麻友 | 3期 | 4位 | 5位 |
高橋みなみ | 1期 | 5位 | 6位 |
小嶋陽菜 | 1期 | 6位 | 7位 |
板野友美 | 1期 | 7位 | 4位 |
2009年の第1回総選挙と2010年の第2回総選挙において、上位7人は順位こそ入れ替わったものの全く同じ顔ぶれであった。それが前田敦子・大島優子・篠田麻里子・渡辺麻友・高橋みなみ・小嶋陽菜・板野友美の7人である。
この7人は当時圧倒的なファン人気があり、全員ほとんど選抜落ちした事がないというAKB48の中心メンバーだった。しかし、1期生が5人、2期生と3期生が1人ずつと、活動の長いメンバーのみであり、新しい世代から人気メンバーが現れていないというデータの裏付けにもなってしまっていた。
元々は「黄金の7人」と呼ばれていたが、初回公演の観客を指す「神の7人」やインディーズ2nd「スカート、ひらり」の選抜メンバー(板野友美・大島麻衣・小嶋陽菜・高橋みなみ・中西里菜・成田梨紗・前田敦子)を指す「スカひら7」との混同が起こり、さらにマスコミを中心に「神7」と略されたことで広まった。
「神8」
2011年の第3回総選挙ではこのメンバーが崩れてしまう。板野友美が8位に落ち、代わりに柏木由紀が3位に躍進した。メディアによっては「新勢力の台頭」という見出しで、まるで柏木を“ぽっと出”の様に扱っているものもあったが、3期生としてすでに中心メンバーとして十分活動してきたメンバーであり、前年の選挙でも8位とこの7人に次ぐ順位につけていた。
この頃、主にマスコミにより、板野と柏木を含む語として「神8」という語が使用された[5]。
総選挙の上位7人を指す用法
前述の第3回総選挙以降、総選挙の上位7人は固定されなくなり、「神7」という語は総選挙の上位7人を指す用語としてもメディアなどで使用されるようになった。このため、初めて7位以上に入ったメンバーを指す「神7入り」[6][7]、固定メンバーが崩れたことを指す「神7崩壊」[6][8]など、用語の混乱もみられる。本項では説明の都合上、この節では上述の「神7」を「黄金の7人」、この用法での「神7」を「7位以上」と表記する。
- 2012年の第4回総選挙では、「黄金の7人」の一角であった前田敦子が卒業のため不参加を表明。その結果、大島優子が第1位に返り咲き、板野友美が第8位に陥落。その代わりに前年まで7位未満であった指原莉乃が第4位に食い込んだ。
- 2013年の第5回総選挙からは立候補制となり、卒業した前田敦子を除いた「黄金の7人」全員と、AKB48からの卒業を表明していた板野友美が立候補。指原莉乃が初の第1位となり、高橋みなみが第8位、小嶋陽菜が第9位、板野友美が第11位へ陥落。第5位の篠田麻里子もスピーチでAKB48からの卒業を表明した。代わって、松井珠理奈が第6位、松井玲奈が第7位と初めてSKE48のメンバーが7位以上に入り、世代交代を印象付けた。
- 2014年の第6回総選挙では、卒業を表明していた大島優子が立候補せず、前年は立候補できた48グループOGにも被選挙権が与えられなかった。渡辺麻友が初の第1位となり、新たに山本彩が第6位に、島崎遥香が第7位に進出。2人とも第1回総選挙に参加しておらず、また、島崎は第3回総選挙では「圏外」となっており、初の圏外経験者の第7位以上進出となった。
- 2015年の第7回総選挙では、前年までに第7位以上入りの経験がある松井玲奈(後にSKE48からの卒業を発表)と小嶋陽菜が立候補せず。指原莉乃が第1位に返り咲き、島崎遥香が第9位に陥落。新たに宮脇咲良が第7位に進出。卒業を表明していた高橋みなみは、最後の総選挙を過去最高順位である第4位で終えると共に、史上初(かつ2016年時点で唯一)となる「7位以上」から陥落を経験したメンバーが、再び「第7位以上」の復帰を果たした。
- 2016年の第8回総選挙では、指原莉乃が総選挙初の連覇を達成。前年上位の顔ぶれは、同年4月にAKB48を卒業した高橋みなみ以外に変動はなかったが、高橋に代わって新たに須田亜香里が第7位に進出(島崎に続く「圏外」経験者の第7位以上進出)した。須田は前年が18位であり、史上初「選抜圏外」からの「7位以上」ランクインを果たした。また「黄金の7人」であった小嶋陽菜は「にゃんにゃん仮面」として2年ぶりに参加し16位となったが、スピーチでAKB48からの卒業を表明した。
- 2017年の第9回総選挙では、指原が前人未到の総選挙3連覇(4度目の第1位獲得)を果たした一方で、前年の「7位以上」メンバーのうち、柏木由紀、山本彩が不参加であったこともあって上位7人メンバーも大きく入れ替わった。新たに総選挙選抜経験者である横山由依(第7位)に加え、荻野由佳が第5位に進出した。荻野は前年が第95位であり、史上初の前年「ランクイン圏外」からの「第7位以上」ランクインを果たすこととなった。
- 2018年の第10回総選挙では、3連覇を果たしていた指原が不参加を表明し、柏木、山本彩も2年連続で立候補しなかった。地元開催となった松井珠理奈が第1位、須田亜香里が第2位となり、SKE48の二人がワン・ツーとなった。また、岡田奈々(第5位)、武藤十夢(第7位)が新たに第7位以上に進出した。
- 世代交代が進んだことで「黄金の7人」のうち、最後まで残っていた渡辺麻友が2017年末をもってAKB48を卒業したため、2018年以降は「黄金の7人」が全員姿を消した。
総選挙で7位以内に入ったことのあるメンバー
名前 | 第1回 2009年 |
第2回 2010年 |
第3回 2011年 |
第4回 2012年 |
第5回 2013年 |
第6回 2014年 |
第7回 2015年 |
第8回 2016年 |
第9回 2017年 |
第10回 2018年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
松井珠理奈 | 19位 | 10位 | 14位 | 9位 | 6位 | 4位 | 5位 | 3位 | 3位 | 1位 |
須田亜香里 | 加入前 | 圏外 | 36位 | 29位 | 16位 | 10位 | 18位 | 7位 | 6位 | 2位 |
宮脇咲良 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 47位 | 26位 | 11位 | 7位 | 6位 | 4位 | 3位 |
荻野由佳 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 95位 | 5位 | 4位 |
岡田奈々 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 加入前 | 圏外 | 51位 | 29位 | 14位 | 9位 | 5位 |
横山由依 | 加入前 | 圏外 | 19位 | 15位 | 13位 | 13位 | 10位 | 11位 | 7位 | 6位 |
武藤十夢 | 加入前 | 加入前 | 不参加 | 49位 | 45位 | 24位 | 16位 | 10位 | 不参加 | 7位 |
指原莉乃 | 27位 | 19位 | 9位 | 4位 | 1位 | 2位 | 1位 | 1位 | 1位 | 不参加 |
渡辺麻友 | 4位 | 5位 | 5位 | 2位 | 3位 | 1位 | 3位 | 2位 | 2位 | 卒業 |
山本彩 | 加入前 | 加入前 | 28位 | 18位 | 14位 | 6位 | 6位 | 4位 | 不参加 | 不参加 |
柏木由紀 | 9位 | 8位 | 3位 | 3位 | 4位 | 3位 | 2位 | 5位 | 不参加 | 不参加 |
島崎遥香 | 加入前 | 28位 | 圏外 | 23位 | 12位 | 7位 | 9位 | 8位 | 卒業 | - |
小嶋陽菜 | 6位 | 7位 | 6位 | 7位 | 9位 | 8位 | 不参加 | 16位[注 1] | 卒業 | - |
高橋みなみ | 5位 | 6位 | 7位 | 6位 | 8位 | 9位 | 4位 | 卒業 | - | - |
松井玲奈 | 29位 | 11位 | 10位 | 10位 | 7位 | 5位 | 不参加 | 卒業 | - | - |
大島優子 | 2位 | 1位 | 2位 | 1位 | 2位 | 不参加 | 卒業 | - | - | - |
篠田麻里子 | 3位 | 3位 | 4位 | 5位 | 5位 | 卒業 | - | - | - | - |
板野友美 | 7位 | 4位 | 8位 | 8位 | 11位 | 卒業 | - | - | - | - |
前田敦子 | 1位 | 2位 | 1位 | 不参加 | 卒業 | - | - | - | - | - |
- ^ 「にゃんにゃん仮面」としての参加
類似の用語
- 乃木坂46
公式ライバルグループである乃木坂46において、各シングル選抜メンバーのうち、運営委員会が選出するセンターメンバーに対して「乃木坂七福神」と称している(現在は単に「福神」と称している)。「神7」と異なる点としては、運営委員会が正式に発表している点、シングルにより人数が変動し「五福神」「八福神」「八福神+1」「十福神」「十一福神」「十二福神」などとも称される点である。詳細は乃木坂46の選抜メンバー#概要を参照。
- 櫻坂46
欅坂46時代には、神セブン、福神に該当するシステムは無かった。櫻坂46にグループ名が変更となり、10月18日深夜に放送された冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』番組中1stシングル「Nobody's fault」のセンターポジション&表題曲メンバーが発表された際、1列目の3人、2列目の5人は通称「櫻エイト」として、表題曲と収録されるカップリング6曲合わせた全楽曲に参加することとなった。3列目の6人は曲によってメンバーが入れ替わる[9]。当制度は5thシングル「桜月」をもって終了し、7thシングル「承認欲求」より選抜制度を導入している。
出典
- ^ 10年間見続けた「観客神」がAKBを愛する理由 - 週刊朝日 2016年3月31日
- ^ Online Column 「秋葉原48(AKB48)」の読み解き方 - スクランブルエッグ 2005年12月10日
- ^ 該当人物のツイート - Twitter 2015年5月9日
- ^ 該当人物のツイート - Twitter 2015年5月9日
- ^ AKB48篠田麻里子、トップアイドルになって「忘れていたこと」とは?センターを務めたときの本音を吐露 - シネマトゥデイ 2012年1月2日
- ^ a b W松井が神7崩した/AKB総選挙 - 日刊スポーツ 2013年6月9日
- ^ NMB48山本彩、初の“神7”入り果たすも「すごく悔しい」 - モデルプレス 2014年6月7日
- ^ AKB「神7」崩壊!ニューヒロイン柏木由紀誕生!! - フィールドプロモーションニュース 2011年6月12日
- ^ 櫻坂46、1stシングルセンターは森田ひかる “櫻エイト”も誕生<「Nobody’s fault」フォーメーション発表> - モデルプレス 2020年10月19日
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