大声ダイヤモンド
AKB48 10thシングル | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大声ダイヤモンド | |||||||||||
発売日 | 2008年10月22日 | ||||||||||
レーベル | You, Be Cool!/KING RECORDS (通常盤) | ||||||||||
選抜人数 | 20 | ||||||||||
販売形態 | 通常盤/劇場盤 | ||||||||||
| |||||||||||
|
「大声ダイヤモンド」(おおごえダイヤモンド)は、2008年10月22日にキングレコードから発売された、AKB48の10枚目(インディーズを含めると通算12枚目)シングル。
概要
- キャッチコピーは「大声で叫べば、ダイヤモンドになる」。
- 通常盤と劇場盤の計2種が同時発売され、それぞれジャケット及び収録内容が異なる。
- 前々作「桜の花びらたち2008」でデフスターレコーズとの契約が終了して以降、配信限定の「Baby! Baby! Baby!」を除くと8ヶ月ぶりのシングルリリース。
- 本作よりキングレコードと契約。通常盤はAKB48のために新設されたレーベル「You, Be Cool!」から、劇場盤は「NEW KING RECORDS」からリリースされている。
- 売り上げ面は、デフスタレコーズ時代に比べ飛躍的にアップし、週間ランキングも過去最高位となる3位を記録した。
リリースの背景
この曲は、選抜メンバー・メンバーの心境・売上・音楽の方向性など、それまでのAKBとは大幅に変わり、転機となった曲だともされる[要出典]。2作前の「桜の花びらたち2008」で運営側はなんとかCDの売上を伸ばそうと色々な特典を付けていたが、所属レコード会社からは違法性が高いと指摘され、さらに売上も低迷していたことから契約も解除されてしまった。またCDに握手券や特典を付けるその販売方法は、「AKB商法」とも揶揄され、非難を浴びることにもなった。そして1作前の「Baby! Baby! Baby!」は、前述の様に配信限定のシングル。
メンバー内ではこの頃、
- 前田敦子「『これからどうしよう』『もうこれ以上、上には行けないのかな』って思ってる時期だったような気がします。『もうこのまま終わっちゃうんじゃないかな』って。多分それは私たちの意識が薄れてきちゃったからで…」[1]。しかし、この「大声ダイヤモンド」で、それまでの売上の3倍近いセールスを記録。3位というランキングも獲得した。前田敦子「オリコンで3位に入ったって聞いた時、AKBはまだやれるな、まだ続けられるなという気持ちはあったよ」。
- 高橋みなみ「わかる。キテルとかじゃなくて、新鮮さを取り戻した感じっていうかさ。モチベーションの部分でもね」。
- 前田敦子「だって3位なんて、一生無理だと思ってたもん。特にその頃は」。
- 高橋みなみ「「スカひら」が出た時、初めて音楽番組とか出演させてもらって、これからどんどんそうなるのかな?って盛り上がっていたらさ、そこから2年間以上…世間からは遠のいて(笑)」[2]。「みんなが一瞬ね、『AKB大丈夫か…』って思った「Baby! Baby! Baby!」。だが、そこからのですよ。そこからAKBがちょっとずつ頑張り始めた。あの時があったから、今があるんです」[3]。
- 小嶋陽菜「この曲きっかけに、世間の人の目に触れる機会が増えてきたのかな。反響も大きかった」[4]。
売上はこの作品だけでは留まらず、これ以後の作品では、ほぼ右肩上がりに成長を続けていく事になる。
また選抜メンバーの変更で、研究生あがりメンバーの重用や、SKEの新人がセンターに抜擢されるなど、それまで選抜だったAKBメンバーにとって、大きな心境の変化なども見られる。
- 大島優子「正直、コイツはなんだ?と思ったんですね。自分もフロントメンバーから外れたので、こりゃちょっとまずいぞと。でも、ここで負けてらんないと思って、狂ったように踊ってやるぞと、火がつきましたね」。
- それまでセンターを張っていた前田敦子。「思った以上にファンの人からすごい言われたというか、比べられていたというか。それまではセンターにいるけど、でも『どうせみんな私の事なんてなんとも思ってないな』っていう気持ちでした。でもこの曲から、自分のいる場所の意味が少しずつ分かってきた気がします」[1]。
- 秋元康は、「誰がって訳じゃないんですけど、(AKB内に)緩んだ空気があって。僕が羊飼いだとすれば、羊たちが散漫になった感じがしたんですよ。ここに全然違う羊が入ったら、キュッと締まるんじゃないかなと思ったんです」と松井珠理奈をセンターに置いた理由を語っている[5]。
また、音楽性の面でも変化が見られる[要出典]。この曲の作曲者は、井上ヨシマサ。K2ndからAKBの作曲に参加し、2ndシングル「制服が邪魔をする」からは数多くのシングル曲も担当している作曲家である。
- 井上ヨシマサ「俺は最初、早くAKBを秋葉原から全国区にしたいな、みたいな事を勝手に思ってたんです。で、秋元さんから発注されたイメージをあえて裏切ったりしたんですけど、そういうのはボツるんですよ。『あの曲、カッコいいですよ』って言うと、『うん、カッコいいからダメなんだよ』って」。―井上さんが作曲した「RIVER」はかなりカッコいい曲ですよね? 井上ヨシマサ「俺はAKBに関わった最初から、ああいう曲をやろうとしてたんですよ。なんだけど、秋元さんが、『まだ早い』って止める訳ですよ。『まだいい。今のファンだけを大事にして、彼らにずっとAKBのことを大好きでいてもらえるようになるまで待て。秋葉原オンリーでいい』って。いっこうに他の動きをしなかったんですね。それが「大声ダイヤモンド」までです。で、いよいよこう、せきを切ってというか。名古屋でSKE48をつくった、レコード会社がキングレコードに変わった、じゃあいよいよ全国区でやるよって」[1]。
- ミュージシャンや音楽ジャーナリストの対談より。「「大声ダイヤモンド」からの一連の井上ヨシマサ楽曲で、ちょっと力点が変わってきた気もする」。「「大声」でレーベル移籍でしょ。あそこで音は劇的に変わりましたよね。金がかかってきたというか」(中略)「まぁ作品ごとに好き嫌いはあるにしても、「大声ダイヤモンド」以降、楽曲に力を入れ始めてるのは間違いないんじゃないですか」[6]。
主な記録
- オリコン週間ランキング第3位(2008年11月3日付)[7]。
- オリコン月間ランキング2008年10月第7位。
- オリコン年間ランキング2008年第109位。
収録曲
※所属チームは発売時点のもの。
大声ダイヤモンド
大声ダイヤモンド | |||
---|---|---|---|
AKB48 | |||
作詞 | 秋元康 | ||
作曲・編曲 | 井上ヨシマサ | ||
MV監督 | 高橋栄樹 | ||
振付 | 牧野アンナ | ||
タイアップ | |||
|
- すべてのTypeに収録。さらに通常盤には「team A ver.」「team B ver.」、劇場盤には「team K ver.」「研究生 ver.」「SKE48 ver.」が収録されている。
- 北原、指原、松井珠理奈、宮崎の4名が初選抜。北原、指原、宮崎は5期生として初選抜、松井珠理奈はSKE48から初の選出で、ならびにセンターに抜擢された。また、11歳228日での初選抜は、AKB48および48グループ史上最年少記録[注釈 1]。前作の選抜メンバーのうち、契約を解除された菊地彩香と、卒業発表した中西里菜のほか、梅田彩佳、大堀恵が今作の選抜メンバーから外れた。
- 題字は、チームKの小野が描いたもの。
- MVの監督は「桜の花びらたち2008」以来となる高橋栄樹。内容はショートドラマ仕立てで、設定は「松岡女子高等学校」の文化祭。MVには、研究生含むAKB48のメンバー69人と松井珠理奈が出演している。
選抜メンバー(センター:前田敦子、松井珠理奈。かっこ内は選抜回数)
- チームA:板野友美(12)、大島麻衣(11)、川崎希(3)、北原里英(初)、小嶋陽菜(12)、佐藤由加理(5)、篠田麻里子(9)、高橋みなみ(12)、前田敦子(12)、峯岸みなみ(11)、宮崎美穂(初)
- チームK:秋元才加(9)、大島優子(10)、小野恵令奈(10)、河西智美(10)、宮澤佐江(10)
- チームB:柏木由紀(4)、指原莉乃(初)、渡辺麻友(7)
- SKE48チームS:松井珠理奈(初)
大声ダイヤモンド(team A ver.)歌唱メンバー
大声ダイヤモンド(team K ver.)歌唱メンバー
大声ダイヤモンド(team B ver.)歌唱メンバー
大声ダイヤモンド(研究生 ver.)歌唱メンバー
大声ダイヤモンド(SKE48 ver.)歌唱メンバー
- SKE48:稲垣ほなみ、大矢真那、尾関きはる、小野晴香、桑原みずき、佐藤聖羅、佐藤実絵子、柴木愛子、新海里奈、鈴木きらら、高井つき奈、高田志織、出口陽、中西優香、平田璃香子、平松可奈子、前川愛佳、松井珠理奈、松井玲奈、松下唯、森紗雪、山下もえ
109(マルキュー)
109(マルキュー) | |||
---|---|---|---|
AKB48 | |||
作詞 | 秋元康 | ||
作曲 | 伊藤心太郎 | ||
編曲 | 野中"まさ"雄一 | ||
- すべてのTypeに収録。
- 当時のチームA全員で歌唱。
歌唱メンバー
収録内容
通常盤
CD [16:21][9]
- 大声ダイヤモンド [4:09]
- 109(マルキュー) [3:57]
- 大声ダイヤモンド(team A ver.) [4:08]
- 大声ダイヤモンド(team B ver.) [4:07]
DVD
- 大声ダイヤモンド Music Video
- Making of 「大声ダイヤモンド」
特典
- 握手会参加券(福岡・大阪・愛知・新宿)およびアナザージャケット1種封入(全19種類、松井を除く選抜メンバー)
劇場盤
CD [20:28]
- 大声ダイヤモンド [4:09]
- 109(マルキュー) [3:57]
- 大声ダイヤモンド(team K ver.) [4:08]
- 大声ダイヤモンド(研究生 ver.) [4:07]
- 大声ダイヤモンド(SKE48 ver.) [4:07]
DVD
- 大声ダイヤモンド Music Video
- 告白映像
- SKE48の軌跡
特典
- 劇場握手会参加券(AKB48劇場・SUNSHINE STUDIO)
- 生写真1枚(全90種、チームA・K・B・研究生・SKE48)
注釈
出典
外部リンク