アンダーメンバー

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アンダーメンバー」とは、

  • AKB48が2011年2月に発表し、劇場公演で運用を予定していた新しいポジション。上のレギュラーメンバーを目指し活動していくという予定だったが、同年6月、チーム4を創設したことで不採用となり、幻の再編案となった。本項で記述。
  • SDN48が実際に1期生において導入していたポジション。本項の#SDN48におけるアンダー制度で記述。
  • 乃木坂46において、シングル選抜に選出されなかった正規メンバーを指す呼称。乃木坂46#概要を参照。

概要

2011年2月6日、AKB48劇場支配人(当時)の戸賀崎智信がブログで発表[1]した、AKB48の再編案。これは、一部週刊誌が「56人いるメンバーを48人に戻します」という秋元康の発言(後述)を報じたことに対して相次いだファンからの質問に回答したもの。

AKB48を再編成する理由は、

  • 「会いに行けるアイドル」への原点回帰のため。AKB48がブレイクした結果、選抜メンバーがメディアの仕事が優先となり、劇場公演に出演する機会が減少。その結果、AKB48の基本であるはずのチームの通常公演も減少し、研究生やSDN48の公演が多く組まれる状況となった。その上、ただでさえ少ない通常公演も当選倍率が高く、ほとんどのファンは公演を見ることが出来ない。このような諸々の問題を解消するため、「チーム」の再編成をするしかないという結論に至った。
  • また、レギュラーメンバーを固定にしないことで、今まで以上に切磋琢磨しながら成長させ、「いつでも一生懸命夢に向かって努力する」という姿勢をファンに見せるため。

以下、ブログで発表された具体的な再編内容。

  • 従来の「正規メンバー」「研究生」を、「レギュラーメンバー」「アンダーメンバー」「研究生」に再編。AKB48のメンバー全72名(正規メンバー56名〈うち所属未定8名〉、研究生16名)をこれらの3つに振り分ける。解雇されるメンバーはいない。
  • 「レギュラーメンバー」は従来の正規メンバーと同様、各チーム16名ずつの計48名。AKB48の原点である劇場公演を中心に活動を行う。メンバーは固定ではなく、入れ替わる事もある。
  • 「アンダーメンバー」の8名は、正規メンバー56名のうちレギュラーメンバーに入れなかったメンバー。「降格」という言葉は使っていないが、実質的には降格に近い。
  • 「研究生」は今まで通り、レギュラーメンバー入りを目指して日々精進していく。研究生からアンダーメンバーへ昇格する可能性もある。

経緯

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  • 2010年9月21日、第1回じゃんけん大会で秋元康がメンバー全員に対し以下の様な訓示を垂れた。「AKB48みんなのお陰でここまで来てますが、今一番心配するのは、みんなが、各自が、意識がまだまだ低いと。この報告が非常に多い。移動の時タラタラ動いているとか、感謝の気持ちが無いとか。僕はさんざん君たちに、こういう全員が揃う場で言ってますが、それでもまだ出来ない人がいっぱいいる。この AKB48って船を、みんなで漕いでいる訳だから、誰かがちょっと手を緩めただけで、方向が違う所に行っちゃう。今日はじゃんけん選抜…たかがジャンケンかもしれないけど、そこを真剣に、ホントに泣いたり笑ったり、感情を剥き出しにしてファンの皆さんを楽しませる。そして自分も楽しむ。これがAKBの基本だと思います。だから頭で何かを考えるんではなくて、まず行動して下さい」
  • 12月8日、AKB48の5周年記念公演にて9期生8名全員の正規メンバー昇格が発表された。しかし代わりに卒業する者はおらず、配属先も発表されなかった。そのため、48名に8名が加わり56人体制となることになった。
    • 元メンバーの野呂佳代は、何度か「AKBはところてん方式」という発言を残していた。当時の各チームの定員は16名であり、つまり下から研究生が昇格すればあふれた正規メンバーは押し出される事になる。ところが、組閣祭りで発表されていたメンバーと、小野恵令奈の卒業に伴い2010年10月に昇格した横山由依以外、ここ1年以上昇格者は出ていなかった。つまり、押し出されたメンバーもいなかった。それゆえ、昔のように「常に自分のポジション居場所をキープし続けなければ奪われてしまうかもしれない」という危機感の意識が少なくなっていたメンバーもいたのかもしれない。しかし運営側にも悪い所はあり、選抜メンバーなどほぼ固定され、下の者には努力するチャンスや機会すらなかった。そのため「モチベーションが下がっている」という報告を現場のスタッフから聞いていた、と秋元は話している。そこで秋元は前述のじゃんけん選抜を行う事にしたと語っていた[2]。これまでチャンスが無かった者にはチャンスを、選抜に固定されていた者には「選抜から外れるかも知れないという危機意識」や「選抜に入りたいという熱意」を持って欲しかったかもしれない。しかしその目論見は、残念ながら外れてしまったようだ。
  • 12月、第1回じゃんけん大会のDVDが発売され、じゃんけん大会の裏側が取り上げられている。編集の仕方にも左右されるため一概には言えないが、明らかに仕事に対する熱意の無い者、不機嫌に振る舞う者、スタッフに横柄な態度を取る者、密着カメラマンを露骨に拒絶する者、ずっと寝ている者、後輩を無視する先輩など、メンバーのイメージダウンに繋がるであろうシーンがかなり収録されていた。DVDのタイトルからして「51のリアル」だが、あまりにもリアルな内容すぎてファンからも賛否両論あったほど。実際に、悪く映っていたメンバーへはバッシングが相次いだ[3]。AKB48は「裏側」を見せる事をコンセプトの一つにはしているとはいえ、あまりにもアイドルのDVDとは思えない出来のDVD。運営側がこのDVDを発売した意図は何だったのか。
  • 2011年1月23日、「AKB48 リクエストアワー セットリストベスト100 2011」最終日。ライブ終了後には、都内で打ち上げが行われた。
  • 1月24日、メンバーの宮崎美穂藤江れいなが、元AKB48の野呂佳代がパーソナリティを務める生放送のラジオ番組に出演。番組中、メンバーの体型についての話題となり、運営によって食事制限などメンバーの「体型管理」が行われていることが明かされた。前日に行われていたリクエストアワーの話題となり、その流れで野呂がリクアワの打ち上げについて尋ねると、宮崎や藤江は「ハッ」と息を呑み「最終日のね…」「あの~」「いやいや…」「楽しかったよね…」と明らかに不自然な態度をとりだす。そして「…チキンが…出た」「チキン出た!」と、なぜか「チキン」を連呼。何のことか分からない野呂は「チキンに意味があるのか凄い気になりますけど」と流した。実際にはメンバーは秋元康から爆弾発言(後述)をされたばかり。とても打ち上げを楽しむ雰囲気ではなかったのかもしれない。
  • 2月2日発売の「週刊文春」(2月10日号)にて、リクエストアワーの打ち上げの裏側が明かされる。1月23日に行われたリクエストアワーの打ち上げで、メンバーや関係者約200人の前で乾杯の音頭をとった秋元康が「AKBがここまで大きくなったのは皆さんのおかげです。ただ、大きくなったことで、遅刻など生活態度がたるんできているメンバーがいると聞いています」と切り出し、「56人いるメンバーを48人に戻します」と宣言。「卒業とか降格ではなく、控えの組をつくる」ともフォローしたものの、メンバーたちは秋元の言葉を重く受け止めて凍りつき、中にはプレッシャーで体調を壊したメンバーもいたという。すでに関係者から「素行の悪い子から順番に落としていくから」「卒業候補に挙がっているから」などと通告されたメンバーもおり、実質的なリストラが行われるという[4]。記事によると、「普段ならみんな、ライブの後だから、がっついてますけどね。この日は深刻な顔をして、あまり食べていないメンバーもいましたね。レギュラー番組を持っていたり、ユニットを組んでいるコたちはまだしも、人気が下位のコたちは秋元さんの言葉を重く受け止めていました」。ところがその一方で「卒業とは無縁と思われる選抜メンバーはこの打ち上げを楽しんでいたそうです。前田敦子さん、板野友美さん、小嶋陽菜さん、高橋みなみさんなどですね。そして、最近「さしこのくせに」という冠番組をもった指原莉乃さんは、秋元さんの隣でしばらく話し込んでいたといいます」。と、上位のメンバーがこの言葉を重く受け止めていないことも掲載された。
  • この記事について事務所の担当者が言及。「『卒業候補に挙がっている』などと通告されたメンバーもいた」という箇所は、明確に誤りとした。実際の秋元の言葉は「8人が卒業させられるかと不安だと思うが、卒業はさせない。ではどうするかというと、野球やサッカーで言う『スーパーサブ』として8人を移す。『卒業』だと言うと戻ってこれないイメージだが、いつでも戻れる」。「スーパーサブ」とは、試合の途中で切り札として投入される選手のこと。秋元は「(AKBが)大きくなったことで、遅刻など生活態度がたるんできているメンバーがいると聞いている」と、この構想を立ち上げた理由を明かしている[5]
  • これを受けてファンから質問が相次ぎ、2月6日、前述の「アンダーメンバー」制度が発表されることとなる。
  • この再編成がいつ行われるかは発表されず、一部では3月に行われる予定の横浜アリーナのコンサート「たかみなについて行きます」で発表されるのではないかとの見方もあったが、コンサート自体が東日本大震災の影響により中止となった。

採用見送りとその後

  • 6月6日、アンダーメンバー制度の採用を見送り、新たにチーム4を結成することを発表。「1月には、『控えチーム』を作り、ステージに立つことの出来るメンバー枠を限定しようとしておりましたが、その後、メンバー全員、一生懸命やっていることもあり、一人でも多くのメンバーがステージに立てるように、新たなチームを作ることにしました」[6]
  • 2012年8月の「AKB48 in TOKYO DOME ~1830mの夢~」で発表された組閣ではチーム4が解散。チームA・チームK・チームBの3チーム制に戻され、1チーム16名の定員制も撤廃された。このため、組閣後新体制の劇場公演においては常時出演できないメンバーが発生することとなり、一部のファンからはこのメンバーを「スタベン(スターティング・ベンチの略)」と呼ぶようになった。計画されていた案と異なり、研究生を除いて全メンバーが各チームに所属してはいるものの、事実上、アンダーメンバー制度の焼き直しともいえる。この制度は、2014年の大組閣によって国内各48グループにも波及している。

SDN48におけるアンダー制度

2009年8月に稼働を開始したSDN48では、AKB48の案に近いアンダーメンバー制度が実際に運用されていた。

アンダーメンバーはオーディションで合格した1期生のうち、岩田優希、甲斐田樹里、なちゅ[注釈 1]の3名[注釈 2]であった。お披露目1か月で岩田が辞退したことで、急遽、AKB48の組閣祭りでチームKに異動予定であった小原春香をアンダーとして兼任(後にSDN48へ完全移籍)。さらに、SKE48から手束真知子が移籍しアンダーメンバーに組み入れられ、4名体制となった。

その後は2期生の採用もあり、2010年5月15日に4名全員がレギュラーメンバーに昇格。アンダーメンバーの運用は終了した。

脚注

注釈

  1. ^ なちゅはアンダーではあるが「MC専属要員」として公演にはほぼレギュラー出演していた。
  2. ^ 当初4名の予定だったが、1名はお披露目前に辞退している。

出典

  1. ^ 【支配人部屋】 - AKB48オフィシャルブログ 2011年2月6日
  2. ^ 光文社「AKB48 じゃんけん選抜 公式ガイドブック」 秋元康インタビューより。
  3. ^ [1] - BIGLOBEニュース (リンク切れ)
  4. ^ AKB48が48人になって“リストラ”されるメンバーは? - リアルライブ 2011年2月3日
  5. ^ AKB48、「慢心すれば降格」 8人を「スーパーサブ」へ - J-CASTニュース 2011年2月3日
  6. ^ チーム4発足 - AKB48オフィシャルブログ 2011年6月6日