「アンダーメンバー」の版間の差分

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(乃木坂46の用法について注意書き追加)
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*[[乃木坂46]]における「アンダーメンバー」の用法については、[[乃木坂46#概要]]を参照のこと。
*[[乃木坂46]]における「アンダーメンバー」の用法については、[[乃木坂46#概要]]を参照のこと。
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「'''アンダーメンバー'''」とは、[[AKB48]]が2011年2月に発表し、劇場公演で運用を予定していた新しいポジション。上のレギュラーメンバーを目指し活動していくという予定だったが、同年6月、不採用が決定。幻の案となった。また、[[SDN48]]が実際に1期生において導入していたポジションで、併せてこの項で取り扱う。
「'''アンダーメンバー'''」とは、[[AKB48]]が2011年2月に発表し、劇場公演で運用を予定していた新しいポジション。上のレギュラーメンバーを目指し活動していくという予定だったが、同年6月、[[チーム4#大場チーム4|チーム4]]を創設したことで不採用となり、幻の再編案となった。また、[[SDN48]]が実際に1期生において導入していたポジションについても、併せてこの項で取り扱う。


== 概要 ==
== 概要 ==
*2011年2月6日、AKB48劇場支配人(当時)の[[戸賀崎智信]]がAKB48公式ブログのエントリー<ref name="ameba10791721812">[http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10791721812.html 【支配人部屋】] - AKB48オフィシャルブログ 2011年2月6日</ref>において発表したAKB48の再編案で、後述する通り[[秋元康]]が「[[リクエストアワーセットリストベスト100 2011]]」の打ち上げで「56人いるメンバーを48人に戻します」という発言が一部週刊誌の記事として報道され、握手会の支配人部屋でファンから質問が相次いだことに対して、回答したものである。
*2011年2月6日、AKB48劇場支配人(当時)の[[戸賀崎智信]]がAKB48公式ブログのエントリー<ref name="ameba10791721812">[http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10791721812.html 【支配人部屋】] - AKB48オフィシャルブログ 2011年2月6日</ref>において発表したAKB48の再編案で、後述する通り[[秋元康]]が「[[リクエストアワーセットリストベスト100 2011]]」の打ち上げで「56人いるメンバーを48人に戻します」という発言が一部週刊誌の記事として報道され、握手会の支配人部屋でファンから質問が相次いだことに対して、回答したものである。
:AKB48を再編成した理由は、
:AKB48を再編成する理由は、
#「会いに行けるアイドル」への原点回帰。AKB48がブレイクした結果、選抜メンバーがメディアの仕事が優先となり、劇場公演に出演する機会が減少。その結果、「AKB48劇場の基本」となる、チームの通常公演も減少し、研究生やSDN48の公演が多く組まれる状況となった。その上、ただでさえ少ない通常公演も当選倍率が高く、ほとんどのファンは公演を見ることが出来ない。このような諸々の問題を解消するため、「チーム」の再編成をするしかないという結論に至った。
#「会いに行けるアイドル」への原点回帰。AKB48がブレイクした結果、選抜メンバーがメディアの仕事が優先となり、劇場公演に出演する機会が減少。その結果、「AKB48劇場の基本」となるチームの通常公演も減少し、[[研究生]]やSDN48の公演が多く組まれる状況となった。その上、ただでさえ少ない通常公演も当選倍率が高く、ほとんどのファンは公演を見ることが出来ない。このような諸々の問題を解消するため、「チーム」の再編成をするしかないという結論に至った。
#また、レギュラーメンバーを固定にしないことで、今まで以上に切磋琢磨しながら成長させ、「いつでも一生懸命夢に向かって努力する」という姿勢をファンに見せるため。
#また、レギュラーメンバーを固定にしないことで、今まで以上に切磋琢磨しながら成長させ、「いつでも一生懸命夢に向かって努力する」という姿勢をファンに見せるため。


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*9月21日、[[第1回じゃんけん大会]]で秋元康がメンバー全員に対し以下の様な訓示を垂れた。「AKB48みんなのお陰でここまで来てますが、今一番心配するのは、みんなが、各自が、意識がまだまだ低いと。この報告が非常に多い。移動の時タラタラ動いているとか、感謝の気持ちが無いとか。僕はさんざん君たちに、こういう全員が揃う場で言ってますが、それでもまだ出来ない人がいっぱいいる。この AKB48って船を、みんなで漕いでいる訳だから、誰かがちょっと手を緩めただけで、方向が違う所に行っちゃう。今日はじゃんけん選抜…たかがジャンケンかもしれないけど、そこを真剣に、ホントに泣いたり笑ったり、感情を剥き出しにしてファンの皆さんを楽しませる。そして自分も楽しむ。これがAKBの基本だと思います。だから頭で何かを考えるんではなくて、まず行動して下さい」
*9月21日、[[第1回じゃんけん大会]]で秋元康がメンバー全員に対し以下の様な訓示を垂れた。「AKB48みんなのお陰でここまで来てますが、今一番心配するのは、みんなが、各自が、意識がまだまだ低いと。この報告が非常に多い。移動の時タラタラ動いているとか、感謝の気持ちが無いとか。僕はさんざん君たちに、こういう全員が揃う場で言ってますが、それでもまだ出来ない人がいっぱいいる。この AKB48って船を、みんなで漕いでいる訳だから、誰かがちょっと手を緩めただけで、方向が違う所に行っちゃう。今日はじゃんけん選抜…たかがジャンケンかもしれないけど、そこを真剣に、ホントに泣いたり笑ったり、感情を剥き出しにしてファンの皆さんを楽しませる。そして自分も楽しむ。これがAKBの基本だと思います。だから頭で何かを考えるんではなくて、まず行動して下さい」
*12月8日、AKB48の5周年記念公演にて9期生8名全員の正規メンバー昇格が発表された。しかし替わりに卒業する者は発表されず、48名に8名がそのままプラスされ56人体制となる事になった(正式には昇格内定の様なもので、配属先も発表されなかった)。<br>
*12月8日、AKB48の5周年記念公演にて9期生8名全員の正規メンバー昇格が発表された。しかし替わりに卒業する者は発表されず、48名に8名がそのままプラスされ56人体制となる事になった(正式には昇格内定の様なもので、配属先も発表されなかった)。<br>
:元メンバーの[[野呂佳代]]は、何度か「AKBはところてん方式」という発言を残していた。つまり下から研究生が昇格すればあぶれた正規メンバーは押し出される事になる。ところがここ1年以上昇格者は出ていなかった(新チームA・K・Bの新公演で昇格した研究生はすべて2009年に発表されていた者。10月に1年2ヶ月ぶりに[[横山由依]]がKに昇格したが、これはその数週間前に[[小野恵令奈]]が卒業しており、押し出したのではなく、穴を埋めるための昇格)。昇格が無かったという事は、押し出されたメンバーもいないという事。それ故、昔のように常に自分のポジション居場所をキープし続けなければ、奪われてしまうかもしれないという危機感や、意識が少なくなっていたメンバーもいたのかもしれない。しかし運営側にも悪い所はあり、選抜メンバーなどほぼ固定され、下の者には努力するチャンスや機会すらなかった。そのため「モチベーションが下がっている」という報告を、現場のスタッフから聞いていたと秋元は話している。そこで秋元は前述の[[じゃんけん選抜]]を行う事にしたと語っていた<ref name="jyankenguide">光文社「AKB48 じゃんけん選抜 公式ガイドブック」 秋元康インタビューより。</ref>。これまでチャンスが無かった者には「チャンス」を。選抜に固定されていた者には、選抜から外れるかも知れないという「危機意識」や、選抜に入りたいという「熱意」を持って欲しかったかもしれない。しかしその目論見は、残念ながら外れてしまったようだ。
:元メンバーの[[野呂佳代]]は、何度か「AKBはところてん方式」という発言を残していた。当時の各チームの定員は16名であり、つまり下から研究生が昇格すればあぶれた正規メンバーは押し出される事になる。ところが、[[組閣#2009年]](第1次)で発表されていたメンバーと、[[小野恵令奈]]の卒業に伴い2010年10月に昇格した[[横山由依]]以外、ここ1年以上昇格者は出ていなかった。昇格が無かったという事は、押し出されたメンバーもいないという事。それ故、昔のように常に自分のポジション居場所をキープし続けなければ、奪われてしまうかもしれないという危機感や、意識が少なくなっていたメンバーもいたのかもしれない。しかし運営側にも悪い所はあり、選抜メンバーなどほぼ固定され、下の者には努力するチャンスや機会すらなかった。そのため「モチベーションが下がっている」という報告を、現場のスタッフから聞いていたと秋元は話している。そこで秋元は前述の[[じゃんけん選抜]]を行う事にしたと語っていた<ref name="jyankenguide">光文社「AKB48 じゃんけん選抜 公式ガイドブック」 秋元康インタビューより。</ref>。これまでチャンスが無かった者には「チャンス」を。選抜に固定されていた者には、選抜から外れるかも知れないという「危機意識」や、選抜に入りたいという「熱意」を持って欲しかったかもしれない。しかしその目論見は、残念ながら外れてしまったようだ。
*12月、第1回じゃんけん大会のDVD「AKB48 DVD-MAGAZINE」が発売され、じゃんけん大会の裏側が取り上げられている。編集の仕方にも左右されるため一概には言えないが、明らかに仕事に対する熱意の無い者、不機嫌に振る舞う者、スタッフに横柄な態度を取る者、密着カメラマンを露骨に拒絶する者、ずっと寝ている者、後輩を無視する先輩など、メンバーのイメージダウンに繋がるであろうシーンがかなり収録されていた。DVDのタイトルからして「51のリアル」だが、あまりにもリアルな内容すぎてファンからも賛否両論あったほど。実際に、悪く映っていたメンバーへはバッシングが相次いだ<ref name="biglobe">[http://news.biglobe.ne.jp/trend/0114/r25_110114_9429625901.html] - BIGLOBEニュース (リンク切れ)</ref>。AKB48は「裏側」を見せる事をコンセプトの一つにはしているとはいえ、あまりにもアイドルのDVDとは思えない出来のDVD。運営側がこのDVDを発売した意図は何だったのか。
*12月、第1回じゃんけん大会のDVD「AKB48 DVD-MAGAZINE」が発売され、じゃんけん大会の裏側が取り上げられている。編集の仕方にも左右されるため一概には言えないが、明らかに仕事に対する熱意の無い者、不機嫌に振る舞う者、スタッフに横柄な態度を取る者、密着カメラマンを露骨に拒絶する者、ずっと寝ている者、後輩を無視する先輩など、メンバーのイメージダウンに繋がるであろうシーンがかなり収録されていた。DVDのタイトルからして「51のリアル」だが、あまりにもリアルな内容すぎてファンからも賛否両論あったほど。実際に、悪く映っていたメンバーへはバッシングが相次いだ<ref name="biglobe">[http://news.biglobe.ne.jp/trend/0114/r25_110114_9429625901.html] - BIGLOBEニュース (リンク切れ)</ref>。AKB48は「裏側」を見せる事をコンセプトの一つにはしているとはいえ、あまりにもアイドルのDVDとは思えない出来のDVD。運営側がこのDVDを発売した意図は何だったのか。


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:「普段ならみんな、ライブの後だから、がっついてますけどね。この日は深刻な顔をして、あまり食べていないメンバーもいましたね。レギュラー番組を持っていたり、ユニットを組んでいるコたちはまだしも、人気が下位のコたちは秋元さんの言葉を重く受け止めていました」。ところがその一方で「卒業とは無縁と思われる選抜メンバーはこの打ち上げを楽しんでいたそうです。[[前田敦子]]さん、[[板野友美]]さん、[[小嶋陽菜]]さん、[[高橋みなみ]]さんなどですね。そして、最近「[[さしこのくせに]]」という冠番組をもった[[指原莉乃]]さんは、秋元さんの隣でしばらく話し込んでいたといいます」。<br>
:「普段ならみんな、ライブの後だから、がっついてますけどね。この日は深刻な顔をして、あまり食べていないメンバーもいましたね。レギュラー番組を持っていたり、ユニットを組んでいるコたちはまだしも、人気が下位のコたちは秋元さんの言葉を重く受け止めていました」。ところがその一方で「卒業とは無縁と思われる選抜メンバーはこの打ち上げを楽しんでいたそうです。[[前田敦子]]さん、[[板野友美]]さん、[[小嶋陽菜]]さん、[[高橋みなみ]]さんなどですね。そして、最近「[[さしこのくせに]]」という冠番組をもった[[指原莉乃]]さんは、秋元さんの隣でしばらく話し込んでいたといいます」。<br>
:おそらく上位のメンバーは、はなから自分たちが降格するとは万に一つも無いと思っており、自分たちにはまったく関係の無い話だと思っているのかもしれない。これで本当にメンバーの気を引き締められるのだろうか。
:おそらく上位のメンバーは、はなから自分たちが降格するとは万に一つも無いと思っており、自分たちにはまったく関係の無い話だと思っているのかもしれない。これで本当にメンバーの気を引き締められるのだろうか。
*この再編成がいつ行われるかは発表されなかったが、[[たかみなについて行きます|3月25 - 27日に横浜アリーナで開催される3daysライブ]]で発表されるのではないかとの見方もあったが、東日本大震災の影響により、開催中止となった<ref name="jcast087243"/>。
*この再編成がいつ行われるかは発表されず、一部では3月に行われる予定の横浜アリーナのコンサート「[[たかみなについて行きます]]」で発表されるのではないかとの見方もあったが、コンサート自体が東日本大震災の影響により中止となった<ref name="jcast087243"/>。
*6月6日、AKB48オフィシャルブログにおいて、
*6月6日、AKB48オフィシャルブログのエントリーにおいて、
:「1月には、「控えチーム」を作り、ステージに立つことの出来るメンバー枠を限定しようとしておりましたが、その後、メンバー全員、一生懸命やっていることもあり、一人でも多くのメンバーがステージに立てるように、新たなチーム(=初代[[チーム4]]のこと)を作ることにしました」として、この案の採用を見送ったことを発表した<ref name="ameba10915712180">[http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10915712180.html チーム4発足] - AKB48オフィシャルブログ 2011年6月6日</ref>。
:「1月には、「控えチーム」を作り、ステージに立つことの出来るメンバー枠を限定しようとしておりましたが、その後、メンバー全員、一生懸命やっていることもあり、一人でも多くのメンバーがステージに立てるように、新たなチーム(=「チーム4」のこと)を作ることにしました」として、この案の採用を見送ったことを発表した<ref name="ameba10915712180">[http://ameblo.jp/akihabara48/entry-10915712180.html チーム4発足] - AKB48オフィシャルブログ 2011年6月6日</ref>。


== その後 ==
== その後 ==
*2012年8月の「[[AKB48 in TOKYO DOME ~1830mの夢~]]」で発表された[[組閣#2012年]](第2次)では、チーム4が解散となり、再びA・K・Bの3チーム制に戻され、1チーム16名の定員も撤廃された。このため、劇場公演においては常時出演できないメンバーが発生することとなり、このメンバーを俗に「スタベン」と呼ばれるようになった。計画されていた案と異なり、研究生を除いて全メンバーが各チームに所属してはいるものの、事実上、アンダーメンバー制度の焼き直しともいえる。この制度は、[[大組閣]]新体制によって国内各48グループにも波及している。
*2012年8月の「[[AKB48 in TOKYO DOME ~1830mの夢~]]」で発表された[[組閣#2012年]](第2次)では、チーム4が解散となり、再びA・K・Bの3チーム制に戻され、1チーム16名の定員も撤廃された。このため、組閣後新体制の劇場公演においては常時出演できないメンバーが発生することとなり、一部のファンからはこのメンバーを「スタベン(スターティング・ベンチの略)」と呼ぶようになった。計画されていた案と異なり、研究生を除いて全メンバーが各チームに所属してはいるものの、事実上、アンダーメンバー制度の焼き直しともいえる。この制度は、[[大組閣]]新体制によって国内各48グループにも波及している。


== SDN48におけるアンダー制度 ==
== SDN48におけるアンダー制度 ==
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